先日、学生向けアパートを所有するオーナー様とお話させていただく機会があったのですが、借りる人より年数が経過している物件では、空室が埋まらず、家賃を上げるわけにもいかず、修繕費用だけがかかり非常に苦しいと胸の内を明かしてくれました。
賃貸マンション・賃貸アパートを所有されているオーナー様の最大の悩みは空室リスクに関することでしょう。
収益を上げるには借主を見つけなければなりませんが、人口が減っているにもかかわらず昨今の不動産投資ブームや相続税対策、金融機関の積極的な融資で新築アパートの数は増えており、需要と供給のバランスが崩れつつあります。
現在はお客様が多数ある物件を選ぶ時代となっており、お客様も「この物件がだめでも他に同じような物件が見つかるだろう」という考えをお持ちです。
「借りたい」とお客さまに思ってもらうためのポイントには、契約条件以外にも、ちょっとした建物・お部屋への配慮が影響することが往々にしてあります。
つまり、生活する上で「安心できる」「便利だな」「いいな」と思わせる引っ掛かりをいくつも作っておくのです。
1.エントランス・郵便受け周辺の見た目を良くする
入居したいかしたくないかの判断は、お部屋に入る前から始まっています。
建物のエントランスや郵便受け周辺が雑然としていたり、妙に暗かったりするだけで、第一印象が悪くなり、内見する前のお部屋へのイメージにも悪影響を与えてしまいます。
外観は古いがリフォームして中はきれいというギャップを活かす方法もありますが、共用部分であるエントランスや郵便受けが綺麗でない場合、管理が行き届いていないという印象を与えてしまいます。
エントランスが明るく入りやすかったり、郵便受けやゴミ置き場をきれいにして不快感がないようにしておけば、「この建物は衛生的にも問題なさそうだ」と思ってもらえます。
2.水回りの設備への配慮
お風呂やトイレ、キッチンといった水回りの設備は当然にきれいにしておき、清潔感を与えなければなりません。
特に女性のご入居者様は、水回りの設備に対して強い関心があります。
清潔感を与える以外に、トイレや洗面室に収納棚を設置しておくことが比較的安価にお客様の引っ掛かりを生みます。
1K、1Rの賃貸アパートは消耗品の収納場所に困る傾向があります。
トイレ上部に収納棚を設置して利用できるようにしておくことだけで、内見時の説明では「きれい」の他に「使い勝手が良い」ことをアピールすることができます。
3.注目されるお風呂の床
従来の日本家屋ではモルタル下地にタイル貼りが主流でしたが、最近の建物はほぼユニットバスになっています。
当然、お風呂はユニットバスだった方が多く、タイル張りのお風呂を見ると、抵抗を感じる方も少なくありません。
また、タイル張りの場合、濡れると転倒の可能性があること、冬場浴室が冷たくなりやすいなどの理由で敬遠されがちです。
お風呂場全体のリフォーム・修繕は多額の費用が掛かりますが、浴室床シートを利用し、お風呂の床だけを変えることで比較的安価で見栄えや快適さを改善させることができます。
床シートは保温性やクッション性に優れており、高齢者のヒートショック(急激な温度差によって体に悪影響を及ぼすこと)対策にも優れていることで注目を浴びています。
お風呂の広さや地域の相場にもよりますが、費用は4万~6万円程度ですので、ご検討してみてはいかがでしょうか。
4.ハンガーラックの利用
最近では、アクセントクロスなどを利用してお客様の目をひく物件も出てきました。
安価でもう少し実用的な方法としては、ハンガーラックを壁面に取り付けておくことも効果的です。
ちょっとした工夫ですが、良く着る洋服を壁面のハンガーラックに掛けておくことができるので、入居者としてはとても便利です。
既にクローゼットが備わっているお部屋でも、壁面のハンガーラックは日常的に利用する洋服を掛けておき、クローゼットは特別な洋服をしまっておくスペースにするなど、分けて利用することができます。
5.まとめ
家賃を下げたり、敷金礼金を0円にするなどの条件面での対策はどうしても他の物件との競合にさらされてしまい、下げる割には効果が薄いことも多いのです。
大きなリフォームをすることなく、ほんのちょっとの工夫でも、他の物件とは違うポイントをいくつか持つことでアピールすることができます。
お部屋選びは多数の中から選択する時代になっていますが、間取りが似てくる1Rや1Kの物件こそ、ちょっとした工夫で選ばれるお部屋となりやすいのです。
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